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【山行記録】天を衝く鋭鋒 槍ヶ岳

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20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

9月20, 21日は後輩とクライミング仲間の3人で槍ヶ岳に登ってきました。本当は2泊3日で大キレットを越えて穂高まで行く予定だったのですが…悪天のため断念。しかし初日は天気が良かったので槍ヶ岳には登ることができました。槍ヶ岳は名前の通り、槍のように尖った山容になっている有名な山です。松本市からだと場所によっては蝶ヶ岳〜常念岳の稜線に隠れて見えませんが、一回見たら忘れることのない特徴的な山となっています。「アルプス一万尺 小槍の上で〜♪」の「槍」ですね。山頂は「大槍」にあって、実際に「小槍」もあります。「孫槍」や「曾孫槍」もあるようです。ということで今回は、いつも安曇野側からアクセス可能な蝶ヶ岳や燕岳から眺めていた「槍の穂先」に初挑戦してきました。





今回は天気予報で晴れると予報が出ていたのが初日のみ…ということで、初日のうちに上高地から槍ヶ岳まで一気に上がってしまいます。初日は標高差約1600m, 移動距離は18.6km です。朝5時に釜トンネルのゲートが開くのと同時にタクシーで上高地に入って、そこからひたすら歩きました。上高地〜横尾間のダラダラ道が結構しんどいです…。

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徳沢園
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

途中、徳沢で少し休憩。この日は朝3時に後輩をピックアップしに行くのに朝2時半起床だったので、前日は夜9時前には寝ていたのですが…寝坊できないという緊張感があると激しく眠りが浅くなるので夜中に何回か起きて、また寝てを繰り返した結果、やや睡眠不足での歩き始めとなり、徳沢園でも頭は少しぼーっとしている感じでした。

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横尾山荘
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

出発して2時間半ほどで、ようやく横尾に到着。。。ここからが登山です。ここまでは16kgの重りを背負ってのハイキングでしたが、ようやく槍ヶ岳の登山口に到着した感じです。長かった…。

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横尾大橋
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

横尾大橋を渡ると涸沢方面に行けますが、初日の目的地は槍ヶ岳なので槍沢へ入っていきます。ちなみにこの時は高曇りという感じですが、山頂が近付くにつれて徐々に青空が見えてきました。

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一の俣
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

今回は信大山岳会OBの後輩がペースをコントロールしてくれました。僕は力が有り余っている前半に飛ばしすぎる傾向があるようで、「もっとゆっくり行きましょう」と少しゆっくりなペースで歩くことを勧められました。確かに、目的地まで3時間くらいの行程なら飛ばしても何とかなりますが、この日はコースタイムで10時間ほどの長丁場、最初から飛ばしていたらバテてしまいます。

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槍沢カール
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

槍沢ロッヂを過ぎて水俣乗越分岐を過ぎる頃には、樹林帯からも抜けて目指す槍沢カールが見えてきます。槍ヶ岳はまだ見えませんが、中岳と大喰岳が見えてきました。3,000m程の稜線付近では徐々に紅葉が始まって、うろこ雲も秋らしさを演出しています。

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天狗原分岐
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

天狗原へ向かう分岐。天狗原は以前に来たことがあるのですが、その時はガスで真っ白だったため天狗池の「逆さ槍」は見たことがありません。今回も帰りは天狗原を通りましたが、霧+小雨でまたも「逆さ槍」は見られませんでした。

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東鎌尾根
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

振り返ると東鎌尾根。あんなにアップダウンの激しいところを歩いてくる人もいるのかと思うと凄い。奥には蝶槍が見えています。

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東鎌尾根の向こうに常念岳…
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

さらに標高を上げると常念岳も見えるようになります。目指す槍ヶ岳が見えるまであと少し!

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槍沢 (梓川源流)
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

槍ヶ岳を拝む前に、槍沢の源流を横切ります。ここから上高地を流れる梓川が始まっていきます。そういえば槍沢の源流付近にはニホンザルの糞があって、よく見渡すと近くの斜面を勢いよく駆け上るニホンザルの群れを見つけました。温暖化でニホンザルが3,000m級の稜線まで上がってきてライチョウを食べているなんて話しも聞きますが、実際にこんなに標高の高いところでニホンザルを見たのは初めてでした。まぁ、温暖化によって生息域が上がってきているのか、別に要因があるのか、または我々が気づいていなかっただけでもともといたのかはわかりませんが…とにかく、こんなところにもニホンザルはいるんだなぁと思ったわけです。

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初秋の槍ヶ岳
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

そしてようやく見えてきた本日の目的地である槍ヶ岳。見えてからもなかなか長い道のりではありましたが、最後は気合いで登ります。

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槍ヶ岳山荘から東側の眺望
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

一緒に登った2人より少し早めに歩いて、槍ヶ岳山荘のテラスから登ってくる2人と景色を撮影。蝶ヶ岳や常念岳はもちろんのこと、八ヶ岳、南アルプス、さらに富士山まで全部見えていました。とにかくこの景色をしっかり押さえておかなければ…なぜかというと、翌日からがっつり雨予報だったからです。この日しかなかったのです、この山行で写真を撮るチャンスは!

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槍ヶ岳山荘から南側の眺望
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

大喰岳の向こうにちらっと穂高連峰が顔を覗かせて、さらに奥に山々が連なっています。遠くに行くほど青くなっていく山が連続している風景は結構好きです。

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大喰岳
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

登山道が尾根に着いていて、山容もなだらかな感じがしますが、ところによっては険しいところがあったりもします。

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槍ヶ岳山荘から望む槍ヶ岳
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

そして槍ヶ岳は近くで見てもかなり尖っています。まさに「槍」。この日は平日だったため、登山客もそこまで多くなく、渋滞もしていませんでしたが、登山者が多いと山頂まで行くのに待ち時間がかなり長くなるそうです。槍ヶ岳山頂にアタックする前にテント場の確保をしてテントを張り、ヘルメットをして必要な荷物だけ持って山頂に向かいます。山頂までは岩登り+ハシゴ+クサリという感じで、高度感もそこそこあります。僕は本格的にクライミングを始めてそろそろ1年になるのもあってか、比較的スムーズに登ることができました。あとは、運が良いことに日差しが暖かく、ほぼ無風だったので登りやすかったです。これで風があったり、渋滞していたりだったら怖かったと思います。

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槍ヶ岳山頂までの登山道
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

写真で見るとそうでもなさそうですが、滑って落ちたら「痛い」では済まなそうなところが何カ所もあります。しっかり三点支持をしながら、慎重に登ります。山頂に着くと360°の大パノラマでした。

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槍ヶ岳山頂から上田方面を望む
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

上田盆地、浅間山方面が見えています。

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槍ヶ岳山頂から黒部五郎岳方面を望む
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

初めて自分の目で黒部五郎岳や双六岳方面をしっかり見ましたが、行ってみたい、写真に撮ってみたいという気持ちが湧き出てきました。槍・穂高連峰とはまた違う、綺麗な山々という印象です。

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槍ヶ岳山頂から燕岳方面を望む
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

燕山荘が小さく見えます。左側の尾根は北鎌尾根で、谷に流れている川は高瀬川の源流。

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槍ヶ岳登山道から穂高方面を望む
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

山頂から下りて槍ヶ岳山荘に向かう途中、ガスが晴れて穂高連峰が見えました。翌日は予報通り雨で、予定していた大キレットを越えての縦走はできませんでしたが、いつかリベンジしたい。

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槍ヶ岳を眺めながら祝杯
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

槍ヶ岳山頂から下りたらビールで祝杯!山価格で高かったですが、最高に美味しかったです!それから夕飯前には夕景を少し撮りました。

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西鎌尾根に掛かる滝雲
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

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夕暮れの槍ヶ岳
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

雲が多かったため、綺麗な夕焼けにはならず、残念…これもまたリベンジしたいところです。

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大喰岳の上に掛かる暗雲
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

この時点で、こりゃ明日はダメだな…と思っていましたが、まぁ残念ながらダメでした。この雲はこれで格好良かったですけどね。

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笠ヶ岳と光のカーテン
20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.

日没前、笠ヶ岳方面に少しだけ光のカーテンが掛かっていました。さらに奥には少しだけ夕焼けも。

今回の写真はこれで終了。翌日は小雨、霧雨と飛騨側から吹き付ける風に当たりつつ、槍ヶ岳山荘から大喰岳→中岳→天狗原→横尾→上高地と歩いて21.6kmの行程。2日間合計で40.2km歩きました。いやぁ、長かった (特に上高地〜横尾間…)。槍ヶ岳山荘から天狗原までの区間はそれなりの難易度の箇所もあって、後輩に色々と教えて貰いながら歩けたので、とても勉強になりました。今度、大キレットをリベンジするまでにしっかり修行しなければ…。今回の山行は初めてのテント泊ということもあって、色々と迷惑を掛けてしまった部分もありましたが、同行させて頂いたお二人のお陰で楽しい山行になりました。個人的には槍ヶ岳初登頂もできたので、とても嬉しかったです!

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テーマ : 山の風景
ジャンル : 写真

tag : 北アルプス 山行記録 槍ヶ岳 日本百名山 上高地

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お久しぶりです

 大変きれいな写真、楽しませていただきました。高校の頃、山岳部でした。槍沢から上っての道も北鎌からも上りました。まだ高瀬川のダムが無く、葛温泉(?)から延々とアプローチの林道を歩いて湯俣。少しでも入っておこうと北鎌沢出会いで幕営。その翌朝、北鎌に上がる道でニホンザルを見ましたよ。雷鳥も珍しくなかった時代です。昔からいたのが、だんだん高い場所まで来るようになったのでしょうかねぇ?

たかとうさま

北鎌尾根からも登っていらっしゃるんですね。それは凄い。ニホンザルに関しては、昔より行動範囲が高標高まで上がっているのかもしれないですが、真相はわからないですねぇ。
PROFILE

Tomoya SUZUKI

Author:Tomoya SUZUKI
1985年10月生まれ
博士 (理学)

昆虫類の分子系統地理や種分化などについて研究しています。週末は山にいることが多いです。ここではほとんど山や生きものの写真を掲載します。たまに研究の話しも書く予定です。

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2015年5月2日開設

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