【サンプリング紀行】北アルプスの池沼調査 晩秋の天狗池・涸沢池

Oct. 16, 2019. Matsumoto, Nagano.
先週の水・木曜日に後輩のサンプリングの手伝いで北アルプスに行ってきました。今回、僕がサンプリングを手伝った後輩は、北アルプスとその周辺山域の山地帯から高山帯に点在する池沼にどのような水生昆虫類が生息しているのかを調査しています※。普段は車横付けで採集ができる池や林道、沢などでサンプリングすることが多いですが、高山帯での調査では当然そうはいかず、調査地点の池に行くには登山を伴います。僕が同行したのは槍沢カールの南側に位置する天狗池と、涸沢カールにある涸沢池。稜線直下の紅葉はすでに終わっていましたが、晴天に恵まれてとても綺麗な景色の中でのサンプリングとなりました (寒かったけど)。
※上高地を含む北アルプス地域での調査は関係省庁の特別な許可を得て実施しています。無許可での採集行為は絶対にしないでください。
【山行記録】天を衝く鋭鋒 槍ヶ岳

20 Sep. 2019. Matsumoto, Nagano.
9月20, 21日は後輩とクライミング仲間の3人で槍ヶ岳に登ってきました。本当は2泊3日で大キレットを越えて穂高まで行く予定だったのですが…悪天のため断念。しかし初日は天気が良かったので槍ヶ岳には登ることができました。槍ヶ岳は名前の通り、槍のように尖った山容になっている有名な山です。松本市からだと場所によっては蝶ヶ岳〜常念岳の稜線に隠れて見えませんが、一回見たら忘れることのない特徴的な山となっています。「アルプス一万尺 小槍の上で〜♪」の「槍」ですね。山頂は「大槍」にあって、実際に「小槍」もあります。「孫槍」や「曾孫槍」もあるようです。ということで今回は、いつも安曇野側からアクセス可能な蝶ヶ岳や燕岳から眺めていた「槍の穂先」に初挑戦してきました。
【野鳥観察】草原に野鳥が飛び交う 霧ヶ峰・踊場湿原
【山行記録】令和元年山の日 東北の名峰 鳥海山

11 Aug. 2019. Yuza, Yamagata.
令和元年の山の日。特に意識していたわけではありませんが、両親と一緒に母方の祖父の家がある秋田県由利本荘市に行く日程と天気の関係で、東北の名峰・鳥海山に登ることにしました。小さい頃は毎年の夏休みに鳥海山の麓で虫捕りをしていましたが、本格的に登山をするのは今回が初めて。まぁ一回くらいちゃんと登っておくか〜、と軽い気持ちで行ってみましたが…物凄い量の登山者でした。山の日の前までに検索エンジンで「〇〇山 登山」というキーワードで検索された数では、富士山を抑えて1位になったのが鳥海山だったそうです。知らぬ間にトレンドに乗っていました。ちなみに鳥海山は山頂までのコースがたくさんあるので、この記事は地図を見ながらどこを歩いているのか確認していくとわかりやすいかもしれません。
【山行記録】二ヶ月ぶりの登山… コマクサ咲き乱れる燕岳稜線

31 Jul. 2019. Azumino, Nagano.
この一ヶ月半はとにかく実験をしました。もう空き時間があればとにかく実験。まぁ梅雨が長く、雨のせいでフィールドへ出られなかったというのもありますが、前回の山行は5月26日の蝶ヶ岳でしたので、まる二ヶ月も登山をしていなかったことになります。クライミングなどをして体は動かしていましたが、やはり登山とは全く違う運動なので体が鈍ってしまって、これでは夏休みの登山に影響が…ということで、実験も一段落してゼミでも一応報告ができたので、7月最終日の本日は燕岳稜線に遊びに行ってきました。実はコマクサをしっかり撮ったことがなかったので、今回の目的は燕岳稜線のコマクサ群落です。しかしまぁ…久々の登山はやっぱりキツかった〜。
【サンプリング紀行】梅雨の晴れ間に行った猪苗代湖周辺の止水巡り

Jun. 17, 2019. Bandai, Yama-gun, Fukushima.
2019年6月17日の夜から翌18日にかけて、猪苗代湖周辺地域のコオイムシ類サンプリングに行ってきました。ここ最近は続けてサンプリングに出掛けていたため、デスクワークや実験が進んでいませんでしたが、この採集でひとまず前期のサンプリングは一区切りです。コオイムシ類だけ採るということであれば季節はあまり関係ないですし、秋の少し涼しい時期の方が採りやすかったりもするのですが、シリアゲムシ類の抱き合わせで採って (撮って) おきたいと思うとどうしてもこの時期にサンプリングを詰め込まざるを得ない感じになります。講義があったり、梅雨で天気も不安定になっていたりという中、18日は晴れ予報でここしか無いというタイミングだったので弾丸サンプリング旅行に出掛けてきました。
【論文】高山型スカシシリアゲモドキの並行進化

論文が公開になりました。正確には一ヶ月半ほど前に Accepted Article として先行して公開されていましたが、この程、正式なジャーナルの体裁が整った形で公開になりましたので、内容をちょっとだけ紹介しておきたいと思います。論文を掲載していただいたのは米誌「Molecular Ecology」。Impact Factor (2019年6月現在) は 6.131 です。よくわからない人もいるかと思いますが、分子生態学分野でよく引用される雑誌の上位10%程度にランクしている雑誌です。つまり、とてもいい雑誌に論文を掲載していただけた、ということです (色々と運がよかったのですが…)。
Tomoya Suzuki, Nobuo Suzuki, Koji Tojo (2019) Parallel evolution of an alpine type ecomorph in a scorpionfly: independent adaptation to high-altitude environments in multiple mountain locations. Molecular Ecology. DOI: https://doi.org/10.1111/mec.15119
【サンプリング紀行】コオイムシとシリアゲムシの仲間を採集しに中国地方の里と山へ

Jun. 5, 2019. Mimasaka, Okayama.
2019年6月4日から6月9日まで、後輩と2人で中国地方をぐるりと回って研究材料を採集する旅に行ってきました。6月4日は僕が午前中に東京で講義だったため、講義終了後に急いで信州大学松本キャンパスに戻り、午後3時半頃に大学を出発。初日は姫路に移動して宿泊し、その後、岡山 → 広島 → 山口 → 島根 → 広島 (三段峡) → 島根 → 鳥取 → 兵庫、と回って、松本に戻ってくるという、本当に中国地方ぐるっと回る感じでのサンプリングでした。松本を出発して帰松するまでの総走行距離は2,500km。中国地方は長い!
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